はてなプロ野球’04

日本における労働運動への不理解、プロスポーツへの不理解
様々なものが日本にはあるような気がします。日本における世間の労働運動の不理解は、日本においては非常に中小企業が多く、同時にその中小企業での従業者(労働者)も割合的に多いことがその一因とされています。確かにそれは一面では正しいでしょう。数十人しかいない中小企業で毎年ストライキなどを起こされたならば、その企業の経営は、その企業が非常に上向きでもない限り*1早晩に立ち行かなくなることは明白です。

ですが、それはあくまでも一面といわざるを得ません。確かに日本の企業比率として、大企業よりも中小企業のほうが圧倒的に多く、従業員も少し差は縮まるものの大きくは変わりません。ですが、中小企業のうちの多くは実質は大企業の下請け・孫請けなどで食べているところは少なくありません。これは実質上、大企業の扶養対象労働者ともいえるのです。では、この層に大企業労働者の保有している労働に関する諸権利や、諸保障があるかというとありません。またそういった層は、親会社の売り上げ上昇による好景気の影響は直接フィードバックされません。親会社が利益の最大化を行なうには、外部者である下請け・孫請けからは搾取をしなければならないからです。そういう状況下では、中小企業のトップである社長は、当然自社の従業員を酷使しなければならなくなります。これも、当然の成り行きです。何故ならここも実質買い手市場になっている現状*2があるからです。もし、上から切られるようなことがあればその企業の従業員皆路頭を迷うことになりますし、社長は設備投資等の借金を抱えざるを得なくなります。小さい企業であればあるほど、その社長というトップと従業員の視点は近づき強い義務意識*3によって結び付けられます。
つまり、中小企業内ではともかく。日本という企業社会全体で見れば、大企業による搾取体制が確立しているのではないかということです。搾取の対象は、労働者だけではなく、多くの下請け・孫請けの中小企業経営者もその対象といえるでしょう。

その中で、日本の最も巨大なユニオンである「連合」は自らの意義とその果たすべき責務の重大さから目を背けて来たのではないかと問い直して欲しいと思います。

中小企業全部が、下請け・孫請け企業だとは言いませんし。独立してやっておられる中小企業も多いことは多いと思いますが・・・。そういった企業であっても、昔景気が良い時に本来の成績や成果に見合った俸給を支払っていたかという問題は大きいと思います。

で、これとプロ野球がどう繋がるか?ですが。
日本プロ野球選手会古田敦也会長がストライキに言及した時のナベツネの対応・・・。
あれは、「どうせ日本でストなんてやっても、長期間放っておけば折れるだろうし。途中で折れたら折れたで年俸減らせるしで、他の企業はテレビに映らない試合しないスポーツ選手なんか雇っておく金なんかないし。究極的には、日本人には労働運動に対する意識が低いから長い時間耐え切れずに試合見せろとか言い出すんだろ。」*4くらいな感じなんだろうと思います・・・。
真のプロ野球ファンはそれでも選手たちを応援する覚悟が要求されるし、その覚悟と支持する人の多さをもっとデモでも何でも良いのでアピールしなくてはいけないんではないかと思います。

経団連は早々に1リーグ制化に賛成を表明しています。この意味は深いと思います。

*1:今は、労働者は買い手市場だと言われているので、そんな上り調子の企業であればそんな労働者は首にして新しい労働者を雇うでしょうが・・・

*2:現状だけではなく、昔からだと思いますが。

*3:完全に対価が払われていない場合が多く、正常とは言いがたいと思わざるを得ませんが・・・。

*4:コメント内が支離滅裂に・・・