米大統領選

米大統領選、接戦映す個人攻撃 http://www.asahi.com/special/usaelection/TKY200408220303.html
ケリー氏の軍歴にたいする攻撃を行っている「真実のための高速艇退役軍人」にはブッシュは直接の関与を否定しており、なおかつ現在民間の中傷広告に対する規制案を考えているらしいのですが…。果たしてこれが公平性を期してのことかというと決してそうではないといえると思います。まず、前記のケリー氏に対する中傷広告にはブッシュ氏の弁護士がかかわっているとも言われており(http://athens2004.goo.ne.jp/kiji.html?ID=JAPAN-155165&C=Shttp://athens2004.goo.ne.jp/kiji.html?ID=20040826a3710&C=S)、自分が(自分たちの陣営が)全く関わっていないというのは嘘であるといえそうですし。今回の大統領選挙で民間の中傷広告(ネガティブキャンペーン)としてもっとも有名なものは、ブッシュ批判を銘打って公開された「華氏911」ということが出来るのではないかとも思います。それ以外にもネットを探せば色々おいてありますが今回の大統領選に関係なくブッシュ氏への批判、パロディはケリー氏へのそれに比べて圧倒的に多いといえるでしょう。(現職大統領であるという要因を考え合わせても多いのではないかと思われる。)
それを考えると民間による中傷広告の規制はブッシュ氏側に有利に働き、ケリー氏側に不利に働くかもしれないのです。ブッシュ氏は自陣営の広告にオリンピックに参加したイラクアフガニスタンを利用して五輪委員会の不評を買っていまし、(http://athens2004.goo.ne.jp/kiji.html?ID=20040821a5070&C=S)ブッシュが助けてやったと思っているイラクのサッカー選手にも批判を受けています。(http://athens2004.goo.ne.jp/kiji.html?ID=20040821a3530&C=S)
やることなすこと自陣営に有利になるようにすることは選挙の最中であれば当然の行動です。アメリカ国内でファルージャでの爆撃によって一般市民も多く巻き込まれて死亡しているという記事や、少年への性的虐待が行われていたという記事がアメリカ国内で流されているのかどうかも疑問に思います。日本においても必ずしも流されているとは限らないところが日本の怖いところなのですが…。*1自民党がつい最近に、マスコミの政治的公平性を要しないようにするという法律を改定しようとしているという話が出ていました。私はこれには原則反対です。大手マスコミは基本的に許認可行政の下で経営が行われています。つまり大政党に媚を売っておいたほうがそのマスコミにとってはプラスになると想像することが容易に出来るのです。自党の番組が作りたいならばケーブル・衛星放送における特例条項でもおけばよいと思います。それ自体も大政党に有利に運んでしまうことは否めませんが。
つまり私が言いたいことは、絶対の公平性という事実(報道)はないと認識した上で、建前としての公平性はマスコミ内部に対する内部規制として必要なのではないだろうかということです。

*1:アメリカにおいては情報操作の作為性は(日本人にしてみれば)明快に存在するものとして見ることが出来るが、日本国内においてはある程度の保守的な論調、革新的(?)な論調という違いはわかると思いますが。提供される情報そのものには大差はなく、もっとも大きな違いは社説・コラム・読者投稿という始末です。