沖縄とオリンピックと1億円

id:yoghurt君のところで「米軍ヘリ墜落について」(http://d.hatena.ne.jp/yoghurt/20040829#p1)という記事があったのですが、確かに全国紙をはじめ多くのマスコミがあまりこの事件について大きく取り上げていません。

大手新聞の関連記事をとりあえず集めてみましたが、各紙社説で取り上げたりと新聞という媒体上で見れば必ずしも大きく取り上げていないということではありません。
で、以下は沖縄のマスコミ

では当然というべきかどうか扱い方の総量が違います。しかし近年、最も大きな影響力を持つマスコミであるテレビにおいては同様の格差かあるいはそれ以上の格差があるのは容易に想像できます(沖縄のテレビはそうそう見ることは出来ないので。)、私も全国ネットのテレビ報道ではあまり見ないように思います。それが沖縄県民と他地域の人との意識格差に繋がっているのは間違いありません。
この件(ヘリ墜落事件)は政治的には非常に大きな意味を持ちます。まず直接的にはアメリカ軍の「トランスフォーメーション」(特に日本においてでいえば在日米軍再編や在極東米軍再編)に大きな影響を与えたくないという政治的判断。当然その判断は現在アメリカで盛り上がっている大統領選とも深く関係します。日本の政治でいえば自衛隊の再編問題もアメリカ軍の再編と連動させて計画していると考えられるので今回の件で事前に打ち合わせしている可能性などを考えると今回の事件でそれが変更されてしまうのは望ましくないという意識が働く可能性も捨てきれません。今日一部報道で報じられた防衛庁予算における護衛艦の新造見送り、戦車・火砲への配分削減も*1そこで削減された分がミサイル防衛などに向けられただけに過ぎませんが*2。これは現在与党が進めたいと考えている「非核3原則」と同時に平和の原則として守ってきた「武器輸出3原則」見直し問題に影響を与える予算編成*3ですが。それに対しても本来、この沖縄の事件は影響を与えられると思われたのではないでしょうか。現政府にとって、この時期にオリンピックを行っていたこと。小泉純一郎首相が夏休みをとっていてその期間は沖縄県知事に会わなかったことは計算のうちだったのかもしれない。
1億円事件もさも小泉内閣における自民党内の反小泉勢力=橋本派(平成研究会)内のごたごたかのように報じられているが、同席したといわれている*4うちの一人、青木幹夫氏は小泉首相の後見人の一人と目されていたのは周知の事実であろう。これで前回参議院選で敗北の責任*5云々の話はうやむやにされてしまった感もある。
報道される内容が作為的に方向付けられることも「情報操作」だが報道のウェイトを操作することも「情報の操作」なのである。今回の沖縄の事件がオリンピックという世紀のイベントの時期に起こったいう事実はその問題と「木の葉を隠すなら森の中」という格言が情報社会の中でこんなに目に見えてわかる例として覚えておく必要があると同時に。オリンピックは後4年後までないが、沖縄の基地問題は沖縄から基地がなくなるまでずっとなくなることがないという事実は覚えておかなければならないだろう。
(追記)情報ページとして
写道部: 沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落を中心に(http://d.hatena.ne.jp/porque/20040831)

*1:多くのマスコミはここのみを報道

*2:朝日新聞では逆にこちらのみに重きを置き本当に重要なところに目が行きにくい形に

*3:現政府・与党は武器輸出3原則見直しは「死の商人」になるためではなく。ミサイル防衛に関連した技術共有が必要だからであると主張しています。

*4:言われているだけで確定的な事実ではない

*5:責任といってしまうと党内責任となるが、敗北の理由は政策への反対が多かったというのが選挙での結果の正しい捉え方であろう。