NHK

安倍晋三氏の「工作員」定義はちょっと「痛い人だなー」という感想なんだが・・・。
 それよりも、なによりもこのニュースに関して「でっち上げだ」とか「朝日の策謀だ」とかいう人はまず「告発者」長井暁氏(プロデューサー)のことについての視点に欠けているように思う。確かに4年前の事件が今更流出してきたことに驚きもあるし、同時に「何で今頃」という不信もなきにしもあらずであるが。個人という告発者が、組織を前にした時は、実質的に圧倒的弱者としての立場におかれることが認識されていないように思う。
 長井氏が「朝日」と通じていて、北朝鮮問題で強硬姿勢の安倍晋三氏を貶めるためにやった。というトンでも説を唱えている方も、はてな界隈にも多いようですが。それは何か私の知らない情報で、長井氏と朝日が通じているというような情報があるのでしょうか?あと、通じているのであれば、*1これほど「穴」(情報あるいは報道としての不確実性が強い)のある情報を、少なくともマスコミの一員である長井氏が告発するのはおかしい気がするのです。(上のような不確実な状況も「工作員」による策謀で長井氏を信じる人を作るためのものだと言い切ってしまうなら正直な話もう何も言うことはありません。)

 それに加えて「報道ステーション」での安倍氏の発言がセンセーショナルだったからか、政治家として安倍氏のほうが目立つからか中川昭一氏の発言があまり注目されません。ですがこの中川氏の当初の発言

 中川氏については、10日に長崎県で電話取材した経緯を明らかにし、一問一答を掲載した。中川氏が1月29日の面会について「会った、会った。議員会館でね」と語り、「あそこを直します、ここを直しますから、やりたいと。それで『だめだ』と」と答えたうえで、放送中止を求めたのかという問いに「まあそりゃそうだ」と述べた、と紹介している。

毎日新聞(http://www.mainichi-msn.co.jp/search/html/news/2005/01/18/20050118dde041040053000c.html)
 これに関してなぜ追求がなされないのか。このあとで発言内容と矛盾すること「放送後にあった」と言っていますが、上記のやり取りは「事前」に行ったやり取りと考える以外に説明がつかないと思うのです。「やりたい。」といったNHKがもうやっていた・・・そんなことがありますかという話です。
 その後、NHKは「放送に関する圧力はなかった。」「あったのは放送後の2月2日である。」「こんな不確かな報道をした「朝日」は訴える」急に喧嘩腰です。あとは当時の「週間新潮」の記事に非常にこの件らしいものを対象にした記事があったと思ったのですが…「新潮」の記者は何か知らないものですかね?

*1:事実であると知覚していなければ、あるいは彼自身が信じていなければ