小倉弁護士のHPに思う(3)(人権擁護法案)

日本の人権問題

 監獄法に関しては、2年ほど前でしたか、革ベルトの締め付けで囚人に死者が出るなど虐待が問題になりました。児童売春の件に関しては、海外への売春ツアーなど様々な問題が諸外国から指摘されています。何故か児童性問題と日本で言うとポルノの問題にばかり目が集まりますが…。本質的な、と言うよりももっと直接的な問題が、日本には山積しているというのに規制推進派は何をやっていたのか且つどこに目を付けていたのかとは問いたいところではあります。

中心題の「人権擁護法案

国籍条項というと、公務員や地方参政権の方が先に思い浮かんできますが。
ここでは審議会の中で出てきたという、法務省の説明

法務省は「外国人が被害者となるケースも念頭に、審議会の議論を経て、あえて国籍要件をはずした経緯がある」

これは前後の議論が出ていないのですが、非常に興味をそそられますが、同時にその意見は尤もであるとは思います。*1

ちなみに、自民党
自民憲法起草委:中間報告 「表現の自由」に一定の制限もhttp://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20050315k0000m010100000c.html
という憲法改正案を出そうとしています。こちらの方が危険は多いと思うのですが、人権擁護法案反対派の人たちどうでしょう?*2

付記
おまいらそろそろ立ち上がれ!!! - 甘酒ジョージアと荒ぶるロウ人形 Σq(`・ω・´) 必殺技的でんぐり返し(仮)日記で「正論」の記事の紹介が…。私はまだ、「正論」本誌を読んだ訳ではないのですが、少なくとも上記で紹介されている限りでは「論壇誌」を自称する雑誌がこのように質の低いことで良いのかとは思います。正直、段々頭にきはじめました。反対なら、反対でちゃんとした論拠を立てる必要があるだろうに、それをデマで行うという言論人としての品性の無さが信じられません。

 この問題の本質は拡大しつつあると同時に潜伏しつつある「差別」という先鋭的な問題に国家が一元的に「答え」あるいは「定義」を出すことでことの本質を見えないものにする、あるいは真の意味での差別を疎外する可能性があることに立法者の配慮がないということであるという気がしています。その問題を卑小化し、ヘイトスピーチが出来なくなること、ありもしない*3例えを持ち出して危険性を叫ぶことが以下に危険なことであるのか、今一度考え直す必要があるのではないかと思います。日本には差別がないというようなことを言っている人も散見しますが。差別は存在します。その解決は、日本人として他国の差別指摘・批判をすると同時に自らの足元の差別にも目を配る必要があると思うのですが…。もしかすると、日本ではそういうことすら絶望的なのかもしれません。

*1:法務省HP(http://www.moj.go.jp/)に詳細があるかもしれません。

*2:ちなみに一応、現時点では私は両方反対ですけど。

*3:あるいは普段は陰謀説扱いするような