論戦(郵政民営化法案参院通過に対して)

現在、国会において論戦というものが成立しているか?
断じて否である。
自称政権準備政党は、圧倒的な戦力差を覆す為の手立てを取らず、政権与党のなすがままにされている現状は、全く修正も経ずに同一法案が通った今「郵政民営化法案」の一件を以ってしても明白であろう。
確かに、一と二分の一政党制と言われた55年体制下において野党社会党が政権に対する意欲を全く欠いた振る舞いを行い続けていたことは明白である。また、現在の自称政権準備政党と政権与党の間のごとき戦力差が存在した事もまた事実である。しかし、それでもそれにも拘らず、自民党社会党の間に論戦は存在した。安保闘争を見よ、そして教育基本法がいまの今まで改正(改悪)されなかった現実を見よ。国対という狭く、公開性に欠け、透明性という概念の欠如した空間において主に行われていた論戦であろうが少なくとも、それは存在していた。
それが今や公開性の大義名分のもと、鏡張りの国会で行われている議論は既に議論ではない。自称政権準備政党の提案の一部有用なところは与党に取り込まれ、それ以外の部分は存在を無視される。このような現状で行われる議論の結果、政権交代が行われようか。それもまた同時に否と言わざるを得まい。戦わぬのであれば、戦いはするが勝利を求めぬ者より価値は無い。
今までの期待を捨てて言う、民主党よ現状のままならば国会から去れ。