思い出の食事

本来は[出来事]カテゴリーで書くことではないのですが、適当なものが無いのでこれで書きます。

「食事」で思い出される食事の風景は二つある。しかも、その片方の食事を思い出すともう片方の食事の思いでも呼び起こされる。まず、その二つの食事イメージにおいて主の位置を占めるのが、祖父宅での朝食である。中学生になるまで私は毎夏、かなりの時間を祖父の家で過ごした。そして、毎朝新聞を私が取りに行き。その後、祖父母とともに朝食を摂るのが常であった。その中でも、目玉焼きとハム、サラダと食パンという比較的それを聞いただけでは代わり映えしない食事メニューが私の記憶に最も残っている。目玉焼きは、金型を使って星型やハート型にキレイに形を整えられている。サラダも、幾種もの野菜を専用の水切りを使って水を切り。その水切りはハンドルを回すタイプで、回すのが楽しく回すのは私の役目であった。祖母は食パンの厚さにもこだわり、祖父が焼きすぎると小言を言っていた。幼少期、祖父の布団にもぐりこんで朝を迎えていたことから朝の食卓の印象が強くなったのであろうか。
もう一つの、副の位置を占める食事風景は大学時代のものである。試験を数日後に控え、友人(たしかid:wkin氏だったと思う)*1とテスト勉強を深夜営業を行なっているファミレスで、食事ともつかぬ夜食を摂りながら行なっていた。確か、眠気覚ましのコーヒーを飲みながら、最もその店で安いメニューの一つのポテトフライをつまんでいたと思う。そこに、以前から体を壊していた祖父の容態が急変し、ついさっき亡くなったという電話がかかってきたのである。私はショックで気が動転し、即座にトイレに駆け込み泣いた。落ち着くまでどれくらいの時間がかかったかは正直なところ自分では良く分からない。しかし、思い出の食事として思い出される前者の食事シーンを思い出すたびに、後者の食事シーンも思い出されるようになった。幸せだった頃のイメージに、決して未だ良い思い出とはいえない祖父の死を聞くことになったあの状況を思い出すのは何故か、よく考えても分からないことではある。

書いてたら泣きたくなってきた・・・春こそは墓参りをしなくては・・・

*1:正直なところ、大学の友人の前であんなに取り乱したのは後にも先にもあれだけだと思う。wkin氏には大変ご迷惑をおかけしました。