反対は反対ですが

「少年は重い刑に」が25% 最高裁司法研修所が調査
 殺人事件の被告が少年だった場合、市民の4人に1人が「成人よりも刑を重くするべきだ」と考えている−。最高裁司法研修所は15日、市民と裁判官を対象に実施した量刑意識に関するアンケート結果を発表、両者に大きな隔たりがあることが明らかになった。
 調査は2009年春までに導入される裁判員制度に向け、量刑の「市民感覚」を探るため実施。全国8都市の市民1000人と刑事裁判官766人が対象となった。
 殺人事件を素材とし、39の量刑ポイントについて意見を聞いたところ、違いがはっきり分かれたのは少年事件。裁判官は「軽くする」が90%を超え「重く」はゼロだったが、市民は約半数が「どちらでもない」を、25・4%もの人が「重く」を選択した。将来の更生のため刑を軽くするなどの配慮がある少年法を前提とした「裁判官の常識」が通用しないことが浮き彫りになった。

これをどう見るか・・・だから裁判員制度は駄目なんだという話にはならないと思う。
「裁判官の常識」と上記の記事では揶揄的と取れる記述をしている。多分「市民の常識」と「裁判官の常識」が違うのだと言いたいのかもしれないがそれは違うと思う。少年法の理念や更正に対する信頼は現在の法秩序を維持する為に、広く共有されるき理念である。が、現状でそれが共有されない、果たして大学の法学部に通った人であっても、その理念の尊重の必要性について学んだことがあろうか、いわんやその他をばと言わざるを得ない。
結局のところ、現在の裁判システムで遵法的に量刑システムを貫いたのでは、司法システムに対して批判が激しいので、量刑判断に市民をいれて、それを大義名分に自分たちだけでは重く出来ない量刑を重くしてしまえと考えているのではないかと思えてならない。
法律上の量刑上限を明確に上げなくても、結果的に判決で下される量刑の重さは上がる・・・一部の政治家が喜びそうな状況の出来上がりのようですね。