医療関係者に問う(2)

2007-07-12 - 小烏丸の日記に引き続き。コメント下さった皆様、ありがとうございます。今後もこの件に関しては随時情報を募集いたします。さらっと見て回った所、この件への言及は少なくhttp://d.hatena.ne.jp/tazan/20070709#1183980401ぐらいでした。
現在までの所、コメントが3件よせられていますのでこちらに列記いたします。(前回の日記に対してコメントをお寄せいただきました「匿名」氏のコメントもこちらに転記いたします。)

個人的には、
1.システムの安全性の問題
先日のグッドウィルの件もあり、医療分野は大きなお金の動きがあるからうまく業者を管理することができるのか。「お金になりそうな分野だから」(だからこその参入だろうが)という気持ちで参入されるとあとで痛いことになるのでは。
2.現場の問題
派遣という環境において、医師が仕事の内容に対してどれだけ責任を持って臨めるか。これは医療の質に関わる問題なので、患者さんにも病院側にも大きく関わってくる。また基本的に医療が医師・患者間の信頼関係が重要なので、患者さんからすると患者さんにとって良い医師であれば担当の医師は変わらない方がいいわけで・・・。
3.利点
医師が不足しているといわれる分野(産婦人科、小児科、外科)や地域(一部は本当に切実)、医師不足に悩む病院にとってはもしかるすとプラスに働くかもしれない。よほど良い条件でないとなかなか集まらないだろうが。ただ、雇うならば、他の職員との対応の差などが問題にならないように配慮してもらいたい。
家庭をもつ女性医師などが仕事時間の調整ができれば働きやすい。もっともこの問題も難しく、例を1つだけあげるなら、すでに復帰してる人とかならいいが、すでに休んでる期間が長ければ復帰するのにはある程度リハビリ(?)が必要なため、派遣という形では厳しいかもしれない?(病院が再教育してくれるとは限らない)
今現在のシステムとして何があるのかはわからないが、個人的には公的機関がネットワークを作って、そこに登録して紹介する方が、お金はかかるし効率は良くないだろうが、まだ安全なのではないだろうか?ただ、正直行政も微妙(いわゆるお役所仕事?)なんで官民合同なんてところでうまくシステムを作れればベストでは。(一番難しいのだろうけれども)。

ピンと来ないというのが正直なところ。現状派遣が禁止されているという点がしっくりこない。今でも普通に行われているんじゃないだろうか? ネトゲの知り合いだった看護師さんは、派遣で時給1900円で働いていると3年前くらいに言っていた。
そして医療関係は医療崩壊の線でしか今は興味ない

医師の不足は医師の数ではなく、配置が原因と思います。仕事はできれば楽な方がいいのですが、「楽なところ=人材が足りているところ」です。なので、人が足りている科、足りていない科を分けて考える必要があると思います。
現在の研修制度は複数の科を回ります。それまできつい科を志望していた人も18時間労働を目の当たりにして研修が終わる頃には志望を変えているそうです。有資格者の女性や高齢者も同じで、一度引退すると二度と戻りたくない激務をこなさないといけない人材不足の科でこそ人材不足対策が必要です。
これを解決するには米国のようにドラフト制にする、昔のように研修の時期から一つの医局に就かせる、一部の診療報酬を思い切って上方修正する、等があると思います。そのくらいしないと人材の配置の不均衡は是正されないと思います。派遣を可能にしたところで、内科医に外科手術はできませんし、眼科医は胃内視鏡を使わないのです。
派遣の解禁の是非については専門外もいいところでちっとも分かりませんが、もし人材不足対策としてならば少なくとも根本的な解決策にはならないと思います。

(上2つのコメントについては知人からのコメントのため、内容は変わらないように文章の語尾だけ修正いたしました。)

現時点では「医師(医療関係者)配置の問題点」として考えられているということでしょうか?過疎地や特定の「科」への希望者が少ないという現状に対する対策として捉えられているというように考えます。そう考えると、政策として「医師数増員」と「既存人員の効率的配置」という対立が存在すると考えられます。地方国公立医大での地元残留に対してインセンティブの用意や地方自治体病院などでの高給の用意なども行なわれているやに聞いていますが、政策レベルとしてはあまり上手くいっていないとも聞きます。
経団連要求の背景には「株式会社経営病院の導入」と「医療費総額の削減」という現在の政府あるいは経済財政諮問会議の方向性が深く関わってくると考えられます。そのため、現在半ば不採算分野と化している特定の科や地域に人を回すようなシステムになるとは考えにくいと考えています。
この件に関しては、私もまだまだ不勉強ですので、なにか情報がありましたらお教え下さい。身の回りの医療関係者の方のコメントなどもあれば大歓迎です。