ネットで実名公開・非難も 少年審判参加の被害者遺族'08/4/27
 少年審判での意見陳述を認められた被害者遺族が、審判廷で加害者の少年に物を放り投げたり、閉廷後、ネットに少年の実名を書き込み、態度を非難したりするケースがあったことが二十七日、日弁連少年法問題対策チームの調査や関係者の証言で明らかになった。「悪魔」「(あなたが)死ぬまで許さない」などと陳述する被害者もいたという。
 政府は今国会に被害者の審判傍聴などを認める少年法改正案を提出している。これに先行して、裁判官の裁量で審判での意見陳述を認めたケースで混乱が出ていることは、改正案の審議にも影響を与えそうだ。
 関東地方の傷害致死事件の審判では、被害者の親が「悪魔、人間とは思えない」「あなたは一生幸せになってはいけない」と陳述。別の傷害事件の審判でも、被害者の親が「(賠償は)十億、二十億でも足りない」「死ぬまで許さない」と述べた。
 怒りをぶつけられた少年の一人は少年院で自殺を図ったが、命を取り留めたという。
 別の地方で昨年開かれた審判では、出廷を認められた親が閉廷後に少年の実名、調書の内容、審判での様子、少年に対する批判的な感想をネットに書き込んだ。その後、関係者の指摘で、実名は一部を伏せた形に修正されたという。
 対策チームの山崎健一弁護士は「審判の一部に被害者が出席するだけでも問題が生じているケースがある。被害者の審判傍聴を認めれば影響はさらに大きく、少年に更生を促す働き掛けが困難になるのではないか」と話している。

実際、被害者家族の裁判への直接関与に、どのような意味があるのだろうか(個人的には有意義なこととは思われない)。精々が検察を通しての間接的意見表明程度にとどめるべきではないのだろうか。