韓国作品について

高岡蒼輔氏の発言に端を発した問題ではあると思うが…その後のいくつかのそれを巡って書かれた論が興味深かったので、今さらながらちょっと言及。
高岡氏の発言自体は私はちっとも同意しないし、ネットで真実系の浅はかさと、嫌韓とまで自覚化しているかどうかは別にして他国文化への蔑視を含んでいて批判を受けて当然のものではないかと思っています。


で、いくつかの論というのは「テレビ編成」における韓国コンテンツの便利さみたいなものに言及していたブログ
(あとで見つけたらリンク貼ります。)


私個人としては、コンテンツとしての韓国作品の特別な素晴らしさというのは感じない。*1
ただ、韓国作品の面白いところはストーリーベースが概ね他国の作品に由来があると言うところだ…歴史物は中国、恋愛物は日本、サスペンスはアメリカ等の影響が強いように思える。しかし、それをうまい具合に消化しているようにも思う。韓国作品の日本でのある意味での席巻は当然とも思っていて、まず何よりも日本の自作コンテンツ(ドラマの)が明らかに韓国制作ドラマに比べて質的に(質という点が問題があるとすればエンターテイメントとという観点で)劣っているということにあるだろうと思う。
韓国ドラマの方が日本ドラマよりも作品一本当たりの製作費が高いのではないかとすら思える(通貨差と物価差等は考慮する必要がある)
日本で金をかけた作品って、映画化前提作品では見るが、テレビドラマでの制作費からキャストにかかる費用を除いた場合に一体どれくらいかけているか…


日本のテレビ局で韓流ドラマが増える理由は、「韓流ドラマと同等のクオリティの日本ドラマを作るのにかかるコスト」>「韓流ドラマの購入コスト」になっている、しかも韓国で当たったということがある程度のドラマのクオリティ保証にもなるし、日本国内でのアピールにも利用できる(よくある映画の「全米一位」と同じ感覚で)。


それとは別の問題で、コンテンツ輸出に関する韓国の姿勢についてですが…
一つは日本が同じレベルでコンテンツ輸出に積極的になるかどうかという問題があります。
当然、そうなると政府がコンテンツの内容に口出しするようになるという側面があるのだけれどもそれは皆さん大丈夫?
私は、その観点があるのでコンテンツ輸出に国が積極的に乗り出すというのはあまり良い策とは思いません。


二つ目はコンテンツ産業に対しての支援の在り方
例えば、韓国はゲームであればネットゲーム、映像作品であれば実写ドラマというようにある種の市場調査に基づいて特化あるいは傾斜が一定程度見られるけれども…
日本でそれが出来るの?という点


手放しで、隣の芝が青いというよりも色々自らについて考えることが重要だと思うのだよね…
他国作品が自国で自国作品よりも多く流通する場合、それに対する対策は一つしかないと思う…その他国作品よりもクオリティの高い作品を作ることによってである。そうでなく他国作品の輸入に規制をかけると言うのであれば他国文化規制政策をとっていた、少し前の韓国とまさに同じ政策をとるのか?ということになってしまいますよ…

*1:それは多分私が、ドラマも映画もアメリカ、ハリウッド文化帝国主義の軍門に下っていることとも無縁ではないと思うのだが