もしかしたら消すかも・・・

• リーダー〈英〉leader

ある集団において、その目標の達成や集団の維持に対して中心的な役割を果たす成員。ほかの成員に対して何らかの影響力を行使して、各種の問題について決定の責任を負う。また、集団と外部の調整機能を果たす役割も持ち、この役割が欠落するとその集団の外部環境への適応の成否に関わることになる。
公式的な集団の中ではその長となる成員に対してリーダーとしての職務や権限、責任が割り当てられているので、長がすなわちリーダーとなる(公式的リーダー)。しかし非公式的な集団の場合は社会制度的な拘束はなく、状況、大きさ、各成員の能力などに応じて、ある特定の人間がリーダーとなる(非公式的リーダー)。リーダーの権限を認め、その支持や命令を受け入れて行動するのがフォロアーである。
このように考えると、政治的リーダーとは、ある政治単位において資源を委託し、最終目的を選択し、政策を左右する権限を持った人間といえる。他のリーダーとの違いは、その集団における党派性が強い(partisan)こと、特定のイデオロギー的運動に関与している(ideologist)こと、あるいは政策を系統化する(politician/statesman)こと、などといった特徴が見られることであろう。このような人物は地方から国家に至るまでのあらゆるレベルに存在し、合法的な選挙や任命のみならず、革命やクーデターなどの手段で地位を得ることもある。
リーダーの現れ方については、その人間の人格や能力そのものを重視する偉人説、あるいは、その時代に特有な社会・経済的な状況に注目する時代精神説などが唱えられているが、いずれも単独では成立し得ない。また、予言者や軍事的な英雄のような、フォロワーが親近感を持ちつつ過大な期待をよせ、情緒的に服従してしまうようなリーダーを特にカリスマ的リーダーという。
ｂｙ政治学事典＠弘文堂

• リーダーシップ〈英〉leadership

集団の目標達成に向けて、集団内のある成員が他の行動に対して積極的な影響力を及ぼす過程。広い意味では集団の特性すべてに対する影響を含む場合もある。
当初、リーダーシップ能力に関しては、リーダーとなる個人的特性との関連に着目された。ストッグディル Ralph Melvin Stogdillは、リーダーに見られる特性として、(1)能力(知能や判断力)、(2)素養(体力、経験)、(3)責任性(信頼性、忍耐力)、(4)参加態度(活動性、社交性)、(5)地位(人気、社会的威光)の５つを上げたが、同時にこれらの中には相互に矛盾する要素も含まれ、必要とされる要素が状況によって異なることも指摘した。
その後はリーダー個人だけではなく、集団活動に関わる状況と、リーダーシップの機能についての研究が進められた。その先駆けとなったのがレビン Kurt Lewin　らによる社会的風土に関する研究であり、ここではリーダーシップを、(1)専制的、(2)民主的、(3)自由放任的の３種に設定し、リーダーと成員、集団への効果との関係を調べた。またカッツ Daniel Katz　らは課題を重視するリーダーよりも、成員間の個性や欲求を尊重するリーダーのほうが集団の生産性が高まることを指摘している。そして三隅二不二はリーダーの機能をＰ機能(Performance:目標達成)とＭ機能(Maintenance:集団維持)とに分け、これをもとにリーダーシップの型をＰとＭがともに大であるＰＭ型、Ｐは大であるがｍは小のＰｍ型、Ｍは大であるがｐは小のｐＭ型、ＰもＭも小であるｐｍ型という４つの基本類型を設定するリーダーシップＰＭ理論を展開した。これによるとＰＭ型リーダーのもとで集団の生産性や成員の満足度が最も高く、それはＰ機能とＭ機能との相乗効果によるものとされ、一方ｐｍ型の生産性が最も低いとされる。
参考文献：三隅二不二「リーダーシップ行動の科学」(改訂版)有斐閣、1984
ｂｙ政治学事典＠弘文堂