中東・イラク

補佐官の講演は11月の米大統領選を意識しつつ、ブッシュ政権の対イスラム圏政策への理解を広げることに主眼を置いた内容。補佐官は、大多数の穏健なイスラム教徒の間にも米国への誤解が多く、これを解くために今以上の努力が必要だと述べた。

穏健なイスラム教徒が抱く米国への「誤解」が、日本における「嫌米」の人々やその他の国々の人の「嫌米」に比べて根が深いであろうことは明白である。政治的穏健層が比較的多いと思われる中東内での先進国(サウジアラビアなど)では、アメリカが中東の民主化を目指してイラク攻撃やアフガニスタン攻撃をしたという事実を素直に受け止めるほどナイーブな人は少ないと思われる。それは自国(サウジアラビアがもっとも明快であるが…)を見れば明らかに民主的といいがたい国が成立しているのに、その国家とアメリカ政府は非常に深くかかわりそれを支えてすら居る。この辺はドキュメントとしてどうかなどとさまざまな議論を巻き起こしているようであるが、そこに視点を当てて述べていると言われている「華氏911」(http://www.herald.co.jp/official/kashi911/index.shtml)*1はそれを知るという点だけを見ても良い資料になると思う。(特にそんなことを知らない多くのアメリカ人や日本人には。)

「ひとつの例外もなく、イスラム教徒を助けるためだった」と主張した。しかし、講演後の質疑応答も含めて、米国内でも批判があるイラク戦争イスラエル寄りの中東和平政策について、反省や軌道修正の弁はなかった。

その、アメリカが守ってきたという対象の方々の頭の上に最も多く爆弾を撒き散らしてきたのはどこのどなたでしょう?アブグレイブ刑務所での虐待は肉体的精神的な恥辱にとどまらず宗教的恥辱を多くの囚人やそれを知った家族、国民に与えたのは間違いありません。正直あれを見た瞬間は下手なSMもののAVかなにかと思いました。それぐらいに笑えないことをやっておきながら「助けるため。」と強弁する。
多くの人がアラブに親米国家を増やすためだと知ってはいると思います。ただし、本当にそれが成功しているかどうかはいまだわかりませんし、今回のさまざまな事件がもしかしたら逆の効果をもたらしているかも知れませんが。

そして上記の記事と関連して

米政府が出資したアラビア語の衛星テレビ「アルフーラ」がカタールの「アルジャジーラ」などに全く太刀打ちできない現状を紹介。

アメリカ政府出資の報道局がアメリカ擁護をしたとしていったいどのくらい信じられますか?そして「拡大中東・北アフリカ地域」への民主化「支援」構想というのが信じられないというのは上記での記事紹介で述べた通りです。

車に乗られる方はガソリンの価格の値上がりに目が行くと思います。イラク戦前のブッシュ大統領の「石油価格は上げない」発言と今回の値上がりは私は関係があると思います。