奈良女児殺害事件

性犯罪者出所後の住所、警察庁に提供へ 法務省
(http://www.asahi.com/national/update/0113/030.html)
 問題点は前回*1大谷昭宏氏の報道内容がおかしいということで触れました。
 それを踏まえた上で相変わらず気になるテレビ報道を挙げておきたいと思う点がいくつかあります。

  • ミーガン法をはじめとしたアメリカの法律。そして前回紹介した、現在試行中であるイギリスの例をよくマスコミが紹介します。なぜ、西欧で紹介されるのがアメリカ・イギリスだけなのか?ということをマスコミは答えませんし、言及しません。

 私はこれは英米法と大陸法系の明文法に対する態度の違いが非常に大きいのだと予想しています。アメリカのミーガン法は、「ミーガン法」の名で分かるように「ミーガンちゃん事件」に対応して作られた法律です。事件後「世論」が沸騰した、ということがよく強調されます。

  • それに加えてデータの作為性の問題は、色々なHPで述べられていますが。「再犯率の問題」とマスコミの主張する「性犯罪の増加」です。

 これは「少年犯罪」の問題でもよく問題になることだと思うのですが。今まで「性犯罪」と認識されてしかるべきであった「犯罪」が犯罪として認知されていなかったということを考え合わせて考えるべきであろうと思います。

  • それに加えて、立法の目的とその効果・意味の探求がマスコミで行われないことが最も大きな疑問です。「なぜそのような事件が起こるか。」「どのようにすれば事件が起こらないか。(少しでも減らせるか。)」「矯正に最も有効な処罰・教育課程は何か。」それを日本の法制度・刑事制度・裁判制度・社会状況に照らし合わせて追求しなければ方策というものは見えてきません。

とりあえず*2厳しい制度を探してきました。
それを導入すれば、皆安心できると「勘違い」できました。
めでたし、めでたし。
なんてことはないのは明白です。

補記「再犯率再犯者率
http://umetarou.sakura.ne.jp/diary/?date=20050105#p01
http://umetarou.sakura.ne.jp/diary/?date=20050107

*1:http://d.hatena.ne.jp/kogarasumaru/20050105#p1

*2:アメリカやイギリス=世界」という模式図下で