『ブラッド・ダイアモンド』(原題は“BLOOD DIAMONDS”)

【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|ブラッド・ダイヤモンド(日本語公式)
WarnerBros.com | Blood Diamond | Movies(英語公式)
レオナルド・ディカプリオ主演の話題作・・・なぜか日本ではもう一本の『ディパーテッド*1*2のCMしかやっていないので、余り知られていないかもしれませんが*3・・・個人的にはこちらの方に大注目。
原作は日本語訳されていませんがこちら(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0813342201/aaaaaaaaaa0c6-22/ref=nosim)。

ディカプリオ扮する南アフリカの宝石商と地元の漁師、アメリカの女性ジャーナリストの3人がシエラレオネ(シエラレオネ基礎データ | 外務省)で特殊なダイアを探すというアクション(?)色が強い感じのつくりになっていますが、注目を浴びている点、そして私が注目している点はそのドキュメンタリー要素。
アフリカにおけるダイアモンドビジネスの問題点などかなり深い所をえぐったようで、宝石業界はこの映画の内容は、その後の業界の取り組みとしてのキンバリープロセス(「武力紛争とダイアモンド原石取引間の関係を断つためのダイアモンド原石に関する国際認証制度」)*4などを見ていないし現状を表していないとしてかなりの苦言を呈しているようです。ただ、このキンバリープロセスも、2006年時点においては様々な点での不十分をアムネスティが公式見解*5として示しており。それを受けての勧告も出している*6
国連に対してのキンバリープロセスの報告は日本語で探したかぎり発見できたのは、2006年12月5日朝日新聞に掲載された

「紛争ダイヤ」締め出しへ国連決議 「現在1%未満」
国連総会は4日、「紛争ダイヤ」を市場から締め出すための各国の取り組み「キンバリープロセス」の中の輸出ダイヤの認証制度を支持する総会決議案を採択した。紛争ダイヤは、主にアフリカで合法的な政権に対し武装闘争するゲリラが資金源にすることから名付けられ、シエラレオネ内戦やコンゴ(旧ザイール)紛争で問題になった。
プロセスは00年に始まり、アフリカや欧州連合(EU)の計47カ国・地域が参加。議長国を務めるボツワナのモハエ大統領は同日、国連本部で記者会見し、「紛争ダイヤはキンバリープロセスが始まる前には市場のダイヤの4%前後だと言われたが、現在は1%未満になった」と話した。参加国・地域のうち34カ国が昨年、外部の専門家によるダイヤ原石輸出過程の監査を受け入れ、前年に比べ15カ国増えるなど、プロセスの強化が進んでいるという。一方で、西アフリカのコートジボワールからの紛争ダイヤが市場に正当なダイヤとして潜り込むなどの問題があることを認めた。

との記事であるが、これを読んだ限りでは結局総量把握は必ずしも上手く出来ていないというのが現状であるように読める。
工業用ダイヤと宝飾用ダイヤで扱いも違うことが多いようであるし、調べなくては分からないことが多い・・・。映画を見て多くの人にとって考えるきっかけになればとも思う。
そういえば、ディカプリオはこの作品公開中に、孤児院で知り合った子を養子に迎えたとかなんとかという話もありましたね。そういうのを偽善と否定してしまいそうな、今の日本社会だけれどもそれはそれで悪くないと思うところがあります。偽善が悪かと言う問題もありますし、養子制度を悪用した人身売買が今も過去もあるという問題も有るといえばありますが。

*1:【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|ディパーテッド

*2:原題は“THE DEPARTED”・・・これはカタカナでやらないほうが良かったんではないでしょうか?

*3:『ブラッド・ダイアモンド』の公開時期は「陽春」予定となっているのが原因だとは思いますが・・・

*4:http://www.diamondfacts.org/japanese/conflict/index.htmlダイアモンド業界による取り組み紹介ページ・・・トップページはhttp://www.diamondfacts.org/japanese/index.html

*5:http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=238

*6:http://alertwire.jp/read.cgi?id=200607072233225