かっとなって

つい先日バイト先で置いてあったアレクサンドル・デュマ作「三銃士」とその20年後を書いた続編5巻まで(つまり2部までで3部は未読)*1を通読してしまった・・・。
昔、三銃士の方の初期シリーズ(イギリスから帰ってくるまで)は読んでいたので、そういえばこういうことも書いてあったなと思い出しながらだったのだが、その後の話もあわせて通読すると色々なことに気付かされる。
まず第一点、ダルタニャンは金の亡者過ぎる。リシュリュー嫌いなのはよく分かるけど、金もらったら裏切るんじゃないかと言うくらいに金の亡者。あと容赦なく嘘つき・・・。性格悪い嫌な奴じゃあるまいか・・・。
第二点、デュマは清教徒に恨みでもあるのか?清教徒はまるで今で言う宗教原理主義者みたいな取り扱い。頭でっかちで、妄想気味の嫌な奴らというような描写と言う印象を受ける。
第三点、まともなのはアトスだけ?他の皆は結局皆腹黒い。腹黒いのが悪いと言うわけではないし、デュマもそれが悪いとは言わないだろうが・・・。背景が政治的な駆け引きなんだから仕方ないと言えばそれまで。
なんだかんだで、読み通させる魅力があるわけで面白かったと言わざるを得ないがなんだか色々納得行かない気もしてならない。
ちなみに一途なロリコンのラウル君ことブラジュロンヌ子爵は、悲恋が決定しているのでそれなりに不憫な気もする。数少ない、常識人アトスの息子ということで幸せになって欲しいと思うが・・・

*1:ダルタニャン物語 - Wikipediaによると鈴木力衛氏訳の5巻『復讐鬼』まで