ものがたりの構造

 悲劇の発生点に視点を置いていたが、より問題になるのは主人公の性別のような気がしてきた。
 恋愛物で悲劇にさらされるのは、圧倒的に女性が多い。その女性が主人公に据えられた時、その女性に降りかかる悲劇は物語が語られ始めてから起きた悲劇の方が、読者の女性は感情移入しやすい。
 一方、男性視点の場合、女性に起こる悲劇は自分に原因がない方がよく、なおかつ壮大な悲劇の方が、そこから助け出す男性主人公のヒーロー性をより際立たせる。
 あまり、突っ込むとフェミニズム研究者などから叱責を受けそうだが、書き手の性別、主人公の性別、想定される読み手の性別での物語り分類が出来るのではないかという気がする。