仏像って

http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20080328p301.htm

平城遷都マスコットの変更求める…密教系寺院の会
◆「仏様を侮辱」
 2010年に奈良県で開かれる平城遷都1300年祭のマスコットキャラクター=イラスト=について、奈良、京都の密教系などの19寺院でつくる「南都二六会」(会長=橋本純信・十輪院住職)は27日、「信仰心が強い人には、仏様を侮辱することにもなる」として、変更を求める文書を事業主体の平城遷都1300年記念事業協会に提出した。寺院団体が見直しの立場を正式表明したのは初めて。
 キャラクターは童子をイメージしているが、二六会は、仏の特徴の長い耳を持ち、みけんに「白毫(びゃくごう)」があるため、「仏様を連想する」と指摘。仏の頭にシカの角を生やすことに「違和感、嫌悪感を感じる」とした。
 同協会は「意見は真摯(しんし)に受け止めたいが、変更は考えていない」としている。

(2008年3月28日 読売新聞)

 例えば、観音や菩薩に角が生えている例というのはあまり見ない*1。しかし、天部などの中には出自が鬼や龍などの仏*2も存在する*3。そういう意味で、仏像に鹿の角が生えていたとしても、それが「仏様を侮辱」しているということになるとは思えないのだが。
 しかも、今回要求を出したのは「密教」系とのこと。しかし、密教系の仏にはヒンドゥーなどの影響を受けた、ある意味で奇抜な仏も多かったはず。大聖歡喜天*4なんかはインパクトも強い。

*1:正確に言うならば、見たことはない。

*2:天部は仏ではないと言う事も出来る(天部は仏の守護神)。天部の像も、仏像として取り扱われるという点でここでは同一視する。

*3:鬼子母神などは、角が生えた形で表現された像も存在するはず。

*4:大聖歡喜天も天部であるとは思いますが。