某メモ問題を考える

2、3日遅れですが・・・
個人的にまず「天皇の意思がどうだったから、首相はこうすべきだ」という論理をこの場合利用できるのは、天皇主義者あるいは天皇至上主義的グループだけではないだろうかと思う。ただし、この場合も「天皇の御心」を汲むべきだという心情的主張と、天皇中心主義的グループの支持調達に靖国を利用できなくなったという政治的主張に分かれるのではないだろうか。政治的な利用法としてあえて、首相の参拝反対派が使うとしたならば、天皇を重視する参拝賛成派に天皇の意思ではこう言っているが、あなた達はどう解釈するんだという問いかけくらいにしか使えないのではないでしょうか。靖国神社も度重なる一部からの分祀要求に神道理論上出来ないと主張してきたわけで、A級戦犯が祀られたから天皇の参拝*1がなくなったとなると立場上苦しいでしょう。

真贋については今後専門家が検討するだろうが・・・ネットで見受けられる、テレビのモニター越しのインクの質がどうとか、メモ紙が上から貼り付けてあるからどうだとかはちょっと噴飯物なのでやめておいたほうがよいと思う。そういう、材料を持たない推理は疑似科学的解答しかもたらさないと思われます。

日経の記事を検証しないで中国・韓国や全国に情報を流す朝日新聞・共同通信その他と、ネットで検証している人たちについて - 愛・蔵太の気になるメモ(homines id quod volunt credunt)←あと、こちらlovelovedog氏がジェラルド・カーティス氏のコメントについて、立場が不明というようなコメントをつけており、それに対してちょっと lovelovedog 氏を DIS っとこうか。 - rna fragmentsrna氏がコメントを返しておられますし、おおむねrna氏のところに書かれている通りだと思いますが。あえて書けば、アメリカの日本政治研究者では第一級の大物の一人でしょう。http://www.grips.ac.jp/profiles2000.10.1/hijyoukin/gerald,curtis/gerald,curtis.htmにプロフィールが挙がっていますが。著書の中では特に『代議士の誕生』*2で実際に旧大分2区の選挙区に入り、自民党候補佐藤文生氏に密着し、文化人類学的手法で日本の代議士成立過程を明らかにしたことで非常に著名な方です。近年では、弟子に当たる朴吉熙氏が『代議士のつくられ方』*3という本を東京17区、平沢勝栄氏に密着して書かれています。

ジェラルド・カーティス氏のイメージとしては、やはり研究に入ったラインも自民党の流れだったこともあるでしょうし当然そのラインでの知己も多いでしょう、そのため自民党に近い、保守に理解のある方というイメージがあります。ただ、アメリカでの位置づけを言えばリベラルでしょうし、平和主義でしょう。
日本では一部に平和主義やリベラルは、左翼あるいは革新みたいなイメージがあるのであれでしょうけど・・・アメリカの日本研究者としては一般的な立ち位置だと思いますけど・・・。

面白そうなのでメモ:http://daico.exblog.jp/3422533/

*1:正確には「参拝」ではないのか?

*2:書店では入手不能になってしまっています

*3:こちらは数年前の新書なので入手も読むのも容易です